イチから始める100日フランス語検定

イチから始める100日フランス語検定

過去の復元ページです。

今日アパートに帰ったときにいつも通り郵便受けを開けると……。

(ん? 何か入ってるじゃん)

いつもはチラシばかり郵便受け。が、そこには……。

「公益財団法人 フランス語教育振興協会」

私はこの封筒を見たとき「ついに来たか!」となりました。

実は私、先月17日(日)、まだこのサイトを本格的に動かす前のこと、東京会場にて、「実用フランス語技能検定試験」を受けたんです!

ちなみにレベルは3級です笑(これについては後述します)

んで、肝心の結果はどうなったのかというと……。

個人情報を一部消しています

キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

見事合格しました!!

とまあ、前置きはこの辺にしておいて、私がこの100日間にどのような勉強をしていたのか、書いていきたいと思います。

ちなみに、フランス語検定(以下、仏検と言います)の対策をし始める前の私はこんな感じでした。

  • フランス語なんてそもそもやったことがない(«Bonjour.»と«Paris»くらいしか知らない)
  • 二外(第二外国語)は必修科目じゃないから何も取っていない
  • ホントはイタリア語検定を受けたかった

「何だこいつ、ホントに仏検合格する気あるのか?」と思ったでしょう?
でも恥ずかしながら、これは私の実話です笑

実用フランス語技能検定試験とは

実用フランス語技能検定試験は公益財団法人 フランス語教育振興協会によって行なわれます。ネットや書店ではよく、「仏検」とか「フランス語検定」とか「フラ語検」とかって略されていたりします。毎年、6月の「春季試験」と11月の「秋季試験」の2回が行なわれます。1級、2級、準2級、3級、4級、5級のレベルに分かれ、全ての級で1次試験(筆記、リスニング)があり、1級、2級、準2級では1次面接に書き取りとさらに2次試験(個人面接試験)があります。

私が受けた3級では、かんたんな日常表現や基本的な文法構造についての問題が出ました。ほとんどはマーク試験でしたが、日常表現では語句を書くこともありました。

なぜ仏検なのか

ではなぜ私は仏検3級を受けようと考えたのか、それは……、

単位が欲しかった

ただそれに尽きます(キリッ

……。

読者のみなさん、今、「これはひどい」って思ったでしょう?

でもね、私の通っている東京理科大学では、仏検3級に受かれば般教(一般教養)単位が4単位免除されるんですよ。取らなくちゃいけない般教単位が22単位あるうちの4単位が免除されるって、割合としては大きくないですか? やっぱり、検定で単位が免除されるのは嬉しいんですよ!

でもそれだったら、「フランス語じゃなくてもスペイン語や中国語だってあるじゃんか」ってなるかもしれません。

「それにあんたさっき、『イタリア語を受けたかった』って言ってたじゃんか」と思う人もいるでしょう。

が、他言語ではなくフランス語を選びました。なぜでしょう?

理科大は般教単位免除となる二外が「フランス語、ドイツ語、中国語、韓国(朝鮮)語の4ヶ国語」のみとなっていたからなんです。

だから、受けたかったイタリア語検定は断念せざるおえなくなってしまい、「ドイツ語や中国語は難しそうだし、韓国語はハングルとか面倒そう」となった結果、フランス語を選んだというわけです。

「ゼロから」ではなく「イチから」

ちょっとここで読者には残念なお知らせかもしれませんが、私はこのサイトのタイトルを、わざと「ゼロから」ではなく、「イチから」としました。

だからと言って私が「仏検を受けよう」と決心した日まではフランス語なんて全くやったことはなかったのは事実です。

上でも言ったように、私はもともとイタリア語検定で単位を取りたいと考えていたので、イタリア語に関しては「半過去形」「形容詞の活用」という分野くらいまでなら理解できています。が紆余曲折あって笑、結局、イタリア語で単位を取るのを断念した私は、仕方なくフランス語で単位を取ろうと考えた、という経緯があります。

「え、何でここでイタリア語が登場するの?」と思った方、良い質問です。

実はフランス語とイタリア語は「ラテン語」という共通の祖先を持っています。だから、文法構造的には似ている部分があったりするんです。だから、大学に入りたてで「ゼロから」の状態でフランス語を始めた友人は「フランス語は動詞の活用形がエグくてやってらんない」と言っていた一方で、私にとっては「イタリア語と似ている部分が多い言語だなあ」という感覚で進められた、ということがありました。

しかし!!

こんなサイトを書いていて、読者に読んでもらっているからには、読者のみなさんを見放すわけにはいきません!

大丈夫です。私がなんとかしてフォローアップします笑

これさえ押さえておけば、もうあなたは「ゼロから仏検生徒」から「イチから仏検生徒」になれます!

1. フランス語には動詞の活用形がある

英語にも”do-does-did-done-doing-to do”のような活用がありますがフランス語はもうちょっと複雑だったりします。そもそも、英語はゲルマン語由来なので、活用形はほとんど全くと言っていいほどフランス語とは違います。これが「うわ、フランス語とかマジ難しいんですけど」と世に流布される理由です。

具体的にいうと、フランス語の活用形は類似形も延べて数えて1つの動詞につきそれぞれ90個くらいあるのですが笑、ラテン語由来の言語は大体そんなもんです。イタリア語だって98個ありますし、スペイン語に至っては118個もあります。

が、これでも活用は類似形などがあるので覚えやすいようになっていますし、ドイツ語などのゲルマン語由来(英語を除く)では「格支配」というもっと面倒な活用があるので、「ドイツ語やろうかな、フランス語やろうかな」と考えている方は、迷わずフランス語をオススメします。

2. フランス語の母音・子音を全部覚えようとしない

よく、大学の二外とかでは「え↑〜っとぉ↑、フランス語ではぁ↑、«r»の発音は『ラ』と発音せずにぃ↓、喉奥に舌を付けてぇ↑、その舌を引っ込めて『ハ』と発音しましょう↑↑」とかいう説明を超テンション高く説明されているようなんですが笑、そんな面倒なことはそこまで重要ではありません。複合母音も14個くらいあるのは事実ですが、最初からそんなことやってても、「私たち、何やらされてるんだろ……」ってなっちゃって、楽しくないでしょう?

こういうのは、CDとかを聞きながら、単語を見比べて「あ、今の«r»、『ハ』みたいな音だった」てな感じで良いんです。厳密な発音なんて、「ネイティブ」か「帰国子女」か「恋人がフランス人」くらいしかできません。

3. フランス語には男性名詞、女性名詞がある

ヨーロッパ言語のほとんどには名詞の性というものがあります。つまり、フランス語の場合、「«mer»(海)は女性名詞、«ciel»(空)は男性名詞」みたいなものが決まっております。ヨーロッパの言語ではイタリア語やスペイン語だけでなくドイツ語やロシア語にも名詞の性はあります。

もちろん、同じくヨーロッパの言語である英語にも名詞の性はあったんですが、100年前に日常会話での英語において、名詞の性というものは消滅しました。理由は簡単です。「名詞の性なんて、そんなのなくても通じるでしょ?」

4. フランス語では名詞や主語によって形容詞が活用する

これもヨーロッパ言語のほとんどに共通することなんですが、形容詞が名詞によって活用します。英語だったら、「”blue marine”(青い海)。”blue sky”(青い空)」と”blue”(青い)は変化しませんが、フランス語の場合、「«bleue mer»(青い海)、«bleu ciel»(青い空)」と«bleu»(青い)が活用されるわけです。

リラックス!

ちょっと堅苦しい話をしてしまったかもしれませんが、ここでちょっと息抜きとしましょう。

このサイトをご覧になっているということは、少なからず「仏検に興味がある、フランス語に興味がある」と考えていらっしゃるのではないでしょうか?

ではみなさんはどうして「仏検に興味がある、フランス語に興味がある」と考えたのですか?

「仏検を受けて単位をもらいたいから」ですか? 「フランス旅行に使えそうだから」ですか?

こんなサイトであるので、ここからはフランス語を習得したいと考えている人のために話を進めます。

私が仏検を受けたいと考えたのは、確かに「単位のため」ということもありますが、他にもあります。

例えば、本格的なフランス料理専門のレストランだと、日本でもメニューがフランス語でしか書かれていなかったりします。そんな店にただなんとなく予約して、ただなんとなく恋人を連れて行くことになって、いざメニューを見たときに「うわ、読めねー」なんてなったら、ダサいでしょう? 特別に日本語のメニューも用意しているところも確かにありますが、入店してから「日本語のメニューをください」なんていうのは、少々みっともないところを見せてしまうことになってしまいます。

確かに見栄を張っているように見えますが、それでもやっぱり、それくらいの見栄は張っておかないと愛想尽かされてしまうかもしれません。

モチベーションを上げるためには、フランス語を習得しているときに「どうしてフランス語を習得しようと考えたのか」ということを思い出してください。理由なんて後付けでも構いません。フランス語を勉強している最中に「旅行で使えるかも」とか「フランス語の小説が原文で読めるようになるかも」とか考えるのもまた一興だと思います。

スケジューリングは大事

ここからはスケジューリングに関してです。社会人になってから「忙しいけどフランス語を勉強したい」というあなたにでも、もちろん、大学の授業が少なくて「暇だから早めに単位を取りたい」というあなたにでも、スケジューリングができるように書いていこうと思います。

1. 標準学習時間

公益財団法人フランス語教育振興協会「試験内容・試験形式」によると、公式見解では仏検3級を取得するために「200時間以上(大学で、第一外国語としての授業なら1年間、第二外国語として週2回の授業なら2年間の学習に相当。一部高校生も対象となる。)」とあります。

「なんだ、最低でも200時間あればいけるんか」と思ったそこのあなた!
はいその考え方は非常に短絡的です。危ないです、落ちます。

ここに書いてあるのはあくまで目安です。実際には大学生の場合、「大学の講義+復習の時間」ということが前提になっていると考えてください。そう考えると、最低でも「320時間」くらいは必要だと思います。

2. 検定まであと何日か

私の場合、検定まで100日という目標を先に立て、そのあとに標準学習時間を日数で割って調整しましたが、1と2を別にどっちから決めても問題はありません。大事なことは、できるだけ毎日、フランス語に触れるということです。

まあ今日からだと129日あるので、私の立てた100日ブラックスケジュールよりはマシだと思いますよ笑

3. 目標点数

仏検3級の合格点はなんと60点なんです! すごく低いと思いませんか? だって、60点で資格が取れるんですよ? しかも平均合格率は50%を上回っているんです! これはもう狙っていくしかない。

最初から「90点合格したい」と考えている人は、おそらく、320時間では足りないので、もうちょっと可能性のある計画を1と2に戻って立て直したほうがいいかもしれません。

ですが! 私のように「仏検3級を取りたい」という目標であれば、60点を目標に勉強段階を設定してゆけばいいんです。まあ、誤差で65点くらいを目標にしていた方がいいかもしれないけど。

具体的な点数配分は、公式ページなり参考書なりで調べていただければすぐに出てくるんで、ここでは触れませんが、目標点数を決めてそれに向かって勉強してゆくことをオススメします。

4. できるだけ毎日触れる

「そうは言っても、問題を解いたり、文法を理解する時間なんて、そんなに取れないよ」

「仕事から帰ったら疲れているし早く寝たいよ」

社会人の皆さんはそう考えることもあるでしょう。

心配無用!

毎日触れるとは言っても、「毎日書き取り」とかそういう時間が取れないなら、別のことをすれば良いんです。

例えば、通勤途中の電車の中でリスニングをすることはできますし(実際、これはすごく効果的だと思う)、単語帳を最初に作っておけば、それをペラペラめくるだけでも効果的な勉強となります。

参考書(テキスト)選び

オススメの参考書

「CD付 仏検3級スピード合格(新訂版)」

恐ろしいです、こいつ一強です。ホントにこいつ1冊さえあれば、他の参考書なんていりません笑

いやもちろん、「90点合格を目指している」人はもっといろんな参考書を見ていく方が良いかもしれませんが、これさえちゃんと勉強すれば、合格はまず間違い無いと思います。

オススメのサイト

東外大言語モジュール|フランス語 – 東京外国語大学

参考書があっても「やっぱり分からない」とか、「スマホで問題演習を手軽にしたい」と考えている人には特にオススメです。詳しい解説や簡単な演習問題はこれで済みます。

参考書選びの基準

フランス語は話者も多いということがあり、参考書は揃いやすいと思います。

が、選ぶときは結構注意した方が良いです。もうこれで、合格するかどうかが決まるといっても過言じゃないです。

まず、あなたが本を選ぶときに、最初に見るのはどの部分ですか?

表紙とかタイトルとか作者とか、そういったものだと思います。

参考書を選ぶときは、「はじめに」の部分を読むことをオススメします。

次に、語学をやるということもあるので、CDがついていることは前提条件です。が、参考書によってはCDがお飾り(笑)みたいに、ほとんど聞き取れる部分がないものもあったりします。参考書をペラペラめくってもらうと、[円盤マーク]が書いてあったりするので、そのマークがどれくらいあるかを確認することが大事です。

そしてこれは人によりけりかもしれませんが、枠線で単元が仕切られていたりされて見やすくされているものをオススメします。あとでメモとかしやすいです。

まとめると、

  • 「はじめに」の部分を読む
  • CDがついていてリスニングできる部分が多い
  • 枠線で見やすく分けられている

特に、注意してもらいたいのは、「フランス語をまだ全くやったことがない」という人たちです。あなたたちは上を読んでくれて「イチから仏検生徒」にはなりましたが、「14日でバッチリ!」とか「1週間で受かる!」とか具体的な数値が入っている系の参考書はあまりオススメしません。理由は、こういった参考書たちは前提として「え? 君たち、もうフランス語の文法とか基本単語とかはもう既に知っているんでしょうwwww」というものが多いからです。

さいごに

フランス語はやってみれば分かると思いますが、とても美しい言語です。
これはやらないとホントに分かりません。

世間(笑)では「フランス語は難しいよ」なんて言われていますが、どうかフランス語に対して、斜に構えないでください。

仏検に受かったときの自分を想像してみてください。きっと、モチベーションが上がりますよ。

ちなみに、私の詳しい勉強法については、後日載せることとなるでしょう笑
長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

みなさんの健闘を祈ります!